特別講義・第3回は、各駅停車(普通列車)の折り返す駅、藤井寺駅の解説を行います。

 藤井寺駅は大正11/1922年、当時2代目大阪鉄道として道明寺〜布忍間が開通したときに生まれた駅で、大正12/1923年の天王寺〜布忍間の開通から昭和49/1974年の駅改装までは、現在のような引上げ線はなく、古市側に渡り線を設けてそこで折り返しを行っていた。
 現在の駅の構造は、昭和49/1974年に行われた全面改装/橋上駅舎化によるもので、このときに藤井寺駅折り返し列車用の引上げ線も設置された。

 現在、大阪阿部野橋を始発駅とする各駅停車は1時間に6本あるが、そのうちの大方5本が藤井寺ゆきとなっている。その藤井寺駅での列車の折り返し方法が、他線区の駅にはない独特な方法を採っている。平成17/2005年3月の時点での藤井寺駅の運用方法を、写真を元に解説する。


≪駅構内≫


引き上げ線と駅ホームとの間にある、高鷲3号(歩行者/自転車用)踏切から見た待避線/渡り線/引上げ線のようす。
左写真の手前に藤井寺駅構内の要となるダイヤモンドクロッシングが見える。藤井寺駅で折返し運転する普通列車は、引
上げ線からここを通過し3番線へと入線する。ちなみに南大阪線系統で本線を跨ぐダイヤモンドクロッシングは、古市駅(南
大阪線/長野線分岐)、尺土駅とこの藤井寺駅に存在する。

   
上り3番ホームから見た渡り線/引上げ線のようす。             藤井寺1号踏切(古市側)から見た駅のようす。


≪駅東側≫

藤井寺駅の東側には商店街や雑居ビルが立ち並ぶ。この周辺は古くから建物が存在しており、引上げ線が設置できない
状況となっていた。


≪引上げ線≫
   
藤井寺駅の西側に設けられた引上げ線。周辺が平地続きで    普通列車の編成が最長6両であるため、引上げ線も6両分
はなく車両を留置するのに適さないため、引上げ線全体の殆    しかない。5両編成のときは駅側がゼロ点(先頭位置合わ
どが高架となっている。ちなみに写真右奥の鉄塔は藤井寺      せ)となる。
球場の照明塔である。


≪折り返し作業≫

   
   
@藤井寺止めの普通列車が1番線に入線。                          A藤井寺止まりの列車を引上げ線へ退避。


B正逆切替。


   
Cポイント切替確認後、3番線へ入線開始。4番線に急行列    D渡り線通過。下り線後方に控えるのは準急列車で、高確
 車が通過するが、干渉はしない。                                         率で停止信号となる。


E3番線へ入線。


≪他駅との比較≫
藤井寺駅とは毛色が異なるが、普通列車折り返し駅の比較ということで南大阪線/御所線分岐駅となる尺土駅を例に挙げる。


2番ホームから大阪阿部野橋方向を見たところ。左奥が引上げ線で、4連を個別に2編成退避できる。


2番ホームから橿原神宮前方向を見たところ。列車の折り返しのための入れ替えを意識しているため、上りと下りのホーム
が約30mほどズレている。

尺土⇔近鉄御所を往復する列車の入れ替え作業の例。
   
@4番線に近鉄御所から到着した普通列車が入線。              A引上げ線へ退避。

   
B正逆を切り替え後、南大阪線のぼり線を跨いで1番線もし     C南大阪線のぼり線を跨いで近鉄御所方面へ出発。
 くは2番線に入線。


≪上りホームへの停車と通過≫
   
藤井寺駅始発の普通列車はほぼ全編成が3番ホームに停    古市駅始発の普通列車は4番ホームに停車するが通過列車
車。                                                                              待ちや準急の追い越し待ちはない。4番ホームに停車する理
                                                                                    由は不明。


準急列車もほとんどの編成が3番ホームに停車。


特急列車と急行列車が藤井寺駅を通過する時間には、普通列車がちょうど停車中となっている。このとき特急列車/急行
列車は4番線を通過することになる。


≪下りホームへの停車と通過≫

藤井寺止めの普通列車は勿論、古市ゆきの普通列車も1番ホームに停車する。これは、急行列車の通過待ちのためである。