最終更新:2010.08.07

 南大阪線〜吉野線系特急車両16000系老朽化に伴い、同系列の置き換え目的で16400系導入以来14年ぶりに新造された型式で、平成21/2009年4月に導入された標準軌線用汎用特急22600系と共通設計とした車両である。
 外観は22600系2連車と酷似しているが、南大阪線および吉野線での2両単独運用を考慮し、喫煙コーナーやバリアフリー設備、化粧室設備が2両編成で完結する形とした。このため、座席配置や喫煙室の編成位置が22600系2連車と異なっている。
なお、車両開発コンセプトは22600系と同様で、『16400系からの進化』『新しい近鉄特急サービスのスタンダード』『便利で快適なシート』『分煙の徹底』で、愛称も『Ace』としている。
 車両構成は16400系からの進化ということで16400系同様、吉野側からMc16600+Tc16700とした。主制御装置や集電装置などの主回路機器をMc車に、補助電源装置や蓄電池、電動空気圧縮装置などをTc車にそれぞれ搭載した。また、バリアフリー対応設備(車いすスペース・化粧室)をTc車連結面寄りに、喫煙室をMc車運転室寄りに配置した。
 車体は全一般鋼体で車体構造・寸法は22600系や16400系と同じである。
 車両性能・艤装関係は狭軌線仕様シリーズ21である6820系をベースに、特急車両としての特性を考慮した改良がなされている。
 運用形態は16000系〜16400系と同様で、2両編成単独運用から、他型式併結による4両〜8両運用と、運用の汎用性をもたせている。


   
営業運転開始を目前に、車庫留置中の16600系。              営業運転開始直前、重連で待機する16600系。
                                                【2010.06.16 天美車庫】                                                   【2010.06.19 天美車庫】

   
営業運転開始当日の4009レにて営業運転初運用に入った。    16400系との併結による運用に就く16600系YT01。
                                                   【2010.06.19 二上山】                                    【2010.06.22 高見ノ里〜河内松原】


《外観》
 
先頭形状は16400系(画像堰jと比べてさらに丸みを帯びたものとし、滑らかでスピード感を強調した。

   
車体塗色は近鉄伝統のオレンジと紺のツートーンカラーとし     喫煙室はMc16600形の運転室後位に配した。乗降扉は戸
化粧室部側面の紺ライン上に『Ace』をデザインしたロゴを配    閉時に車体外板とフラットになり、戸袋が不要で気密性に優
した。                                                                             れたプラグドアとした。

   
連結幌は16400系同様、連結面両開きプラグドア内収納      16600系YT01と16000系Y09。昭和40/1965年に
とした。また先頭部連結時にはシリーズ21同様、注意喚起     デビューした16000系から見れば、45年の月日の歴史と
音声『車両連結部です。ご注意ください。』が放送される。       進化が伺える。

《主制御装置》

Mc16600形に搭載される主制御装置、日立製VFi-HR2420
系統のPWM-IGBT方式VVVFインバータ装置。6820系の
システムをベースに16600系の車体に見合った出力が得
られるように改良されている。


《補助電源装置》

Tc16700形に搭載される補助電源装置、日立製SIV-H208A。
6820系の補助電源装置と同じくインバータ部2系統を装備
した待機二重系で信頼性を向上している。


《集電装置》


Mc16600形に2基搭載される集電装置、シングルアーム式パンタグラフ・東洋電機製PT-7126A。シリーズ21や標準
軌線用22600系・アーバンライナーネクスト21020系で実績のあるパンタグラフである。
なお、シリーズ21や22600系同様に、下枠交差式パンタグラフPT48形に換装することも可能な構造となっている。


《電動空気圧縮装置》

Tc16700形に搭載される電動空気圧縮装置。22600系を
はじめ、9020系などで実績のあるナブテスコ製AHS-10。
交流駆動方式で省電力性に優れる。


《台車/制動装置》

Mc16600形に搭載の近畿車輛製KD-316形ボルスタレス台車で、アンチローリング機構・上下動/左右動ダンパーを
装備し、乗り心地向上を図っている。また搭載電動機は三相かご型誘導電動機で、南大阪線系車両では初の185kW
/1基の電動機を台車1基あたり2基装備する。
制動装置は通勤車両『シリーズ21』のシステムを基本とした電機指令式空気ブレーキ装置である。常用・非常・保安の
3系統のブレーキを装備し、直通空気管(SAP)と制動管(BP)を引き通し、既存車との併結に制限はない。なお、既存車
と併結すると、直通空気管(SAP)による空気指令が必要となるため、それらの指令を変換する読み取り装置を装備して
いる。
なお、画像は排障器付き先頭台車、画像奄ヘ中間台車である。


Tc16700形に搭載の近畿車輛製KD-316A形ボルスタレス台車で、Mc用台車同様、乗り心地向上を図る機構を装備し
ている。また速度検出用の発電機を装備する。なお、画像は中間台車、画像奄ヘ排障器付き先頭台車である。


《連結器/標識灯/前照灯》

先頭部連結器は増解結が容易にできる自動解結装置付き密着連結器で、南大阪線系特急車両では初めて2段式電気
連結器を装備した。種別標識灯および尾灯は2色LEDとし、裾下に配置した。


前照灯には省電力性に優れるHID(高輝度放電ヘッドライト)
を4基装備する。


《空調装置》
   
車両中央部に配置された空調装置はユニット式クーラー・       運転室後部に配置された空調装置はユニット式クーラー・
RPU-6034。22600系と共通設計の客室用空調装置。      RPU-201A。客室用空調装置同様、22600系と共有設
16400系の空調装置より高出力となっている。                    計で、運転室・喫煙室・デッキの空調をカバーする。


《客室/座席》

座席は22600系と同じく改良型『ゆりかご型シート』を採用、2+2配列でシートピッチ(前後幅)は16400系よりも50o
拡大した1050oとなった。また車いす利用の乗客の為にバリアフリー対応席をTc16700形に1席設け、緊急連絡ボタン
を併設している。デッキ仕切り扉は両開きで、デッキは車いすを転回できるスペースを確保している。
そのほか、照明は21020系や22600系同様間接照明とし、座席背面にはモバイルコンセントを設けるなど、乗客への
利便性が考慮されている。


客室・デッキ仕切り扉上部に配されたLED車内表示器。
16400系のものより約2倍の表示面積とし視認性の向上
を図っている。表示内容は行先・停車駅・乗換案内のほかに
FOMA回線を利用したニュースや天気予報などのオンライン
情報の表示にも対応している。


《喫煙室/化粧室/デッキ》

喫煙室を車外から見たようす。喫煙室は編成中もっとも吉野
寄りに配置されている。


喫煙室をデッキから見たようす。喫煙室といえどもデザイン性・居住性・機能性に重点を置いており、喫煙室内には簡易
腰掛けを設けている。また喫煙室の出入り口は客室とは反対側に配置し、分煙を強く意識していることが伺える。



多目的化粧室に内はベビーチェア・ベビーベッドのほか、車いす利用の乗客にも利用しやすいように補助棒が設置されて
いる。様式便座には温水洗浄暖房便座を採用している。


《運転台》

シリーズ21の運転台同様、簡潔にまとめ上げられた運転台
となった。シリーズ21と違い貫通路がストレートとなった関係
上運転台幅が狭くなっているが、モニタ装置を運転席右上に
配置したことで解決している。主幹制御器は力行・抑速と
ブレーキが独立した2ハンドルタイプとなっている。


《行先表示装置》

先頭妻面のフルカラーLED表示装置。表示レイアウトは漢字表記の下に英字表記が基本だが、大阪阿部野橋ゆきの
京都連絡列車は英字表記の代わりに『京都連絡』の表記となる。


側面のLED表示装置。種別と『全席指定』が一定時間間隔で漢字表記と英字表記が交互表示する。


《その他》

16600系搬入時、古市車庫および天美車庫回送時は通勤
型車両である6620系併結での無動力回送が行われた。
画像は天美車庫から古市車庫に6620系MT25によって無
動力回送が行われた時のもの。
                               【2010.03.29 古市/撮影:SHIKE氏】



営業運転前の試運転中の1シーン。16600系YT01と26000系『さくらライナー』SL01併結による、緊急時を想定した
連動試運転で、営業運転でこの姿を見ることはない。
                                                                 【2枚とも 2010.05.27 古市〜駒ヶ谷・石川橋梁/撮影:南★近ファン氏】


《車両諸元表・編成表》
形式
モ16600

ク16700
定員(座席定員) 52(52) 43(43)+車椅子対応1
自重 47.0t 43.0t
車体サイズ
[長さ×幅×高さ]
20,800×2,800×4,150 20,500×2,800×4,135
制御装置
(製造/制御形態)
IGBT方式VVVFインバータ
VFi−HR−2420系
(日立製/
1C2M制御×2群)
主電動機
(製造/出力)
三相かご形誘導電動機
MB−5137A ×4基
(三菱製/185kW)
駆動方式
(歯車比)
NW継手平行カルダン式
(16:101)
制動装置 電気演算式電磁直通空気ブレーキ
KEBS−21A
集電装置
(製造)
シングルアーム式
パンタグラフ
PT-7126-A ×2基

(東洋電機製)
補助電源装置
(製造/出力)
静止型インバータ
SIV−H208A
(日立製/80kW)
電動空気圧縮装置
(製造/圧縮能力)
交流駆動レシプロ式
AHS−10
(ナブテスコ製/1000L/min)
台車
(製造)
軸梁式軽量ボルスタレス台車
KD−316
(近畿車輌製)
KD−316A
(近畿車輌製)
空調装置
(製造/出力)
屋根置き形ユニット方式
RPU-6034 (東芝製/17000kcal/h)
2台/両


屋根置き形ユニット方式
RPU-201A (東芝製/5000kcal/h)
モ16600:1台/両
ク16700:2台/両
編成番号
モ16600

ク16700
YT01 16601 16701
YT02 16602 16702